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オオムラサキの越冬幼虫調査をしました

神奈川県秦野市においてオオムラサキの幼虫調査を行いました。

 オオムラサキは、日本の国蝶になっており、クヌギやコナラなどの生える身近な雑木林の代表的なチョウです。里山環境が失われたり、里山の管理放棄などによって、全国的に減少しており、特に都市化が進んでいる場所では減少が著しくなっています。
 神奈川県秦野市は、まだまだ緑豊かな里山が広がっていますが、それでも緑地は年々減少しており、身近な生きものも少なくなってきています。
 そうした中、秦野市でももっとも良好な里山林が残っている渋沢丘陵で霊園開発問題が2012年頃に持ち上がりました。この開発によって貴重な自然が失われることから、地元に「渋沢丘陵を考える会」が立ち上がり、この会が中心となって、計画の見直しを求める活動を行ってきましたが、最終的に開発は進んでいる状況です。
 この開発によって、オオムラサキへの影響も生じることが懸念され、当会では、渋沢丘陵を考える会と共同で、渋沢丘陵の広い範囲でオオムラサキの幼虫の調査を2012年より実施しています。
 2017年度の調査は、12月27~28日に実施しました。
 両日合わせて、21名の方にご参加をいただき、3~4名程度の班に分け、班ごとに別々の範囲を調査しました。
秦野オオムラサキ2017.12.27/28
オオムラサキは冬の時期は幼虫で越冬しており、エノキの根元の葉裏にいます。そのため、エノキの根元の落葉を丹念にひっくり返して幼虫を探します。
秦野オオムラサキ2017.12.27/28
すると、このように、オオムラサキの幼虫が見つかります。その他、ゴマダラチョウやアカボシゴマダラ(外来種)の幼虫も見つかります。
秦野オオムラサキ2017.12.27/28
テントウムシなどいろいろな昆虫類も越冬しているようです。
 2日間の調査で、合計約200本程度のエノキを調査し、100個体以上のオオムラサキの幼虫を見つけることができました。また、前年は特に幼虫が少なかったのですが、今回は、その数の4倍程度に増えていました。
 これまでの調査によって、オオムラサキの個体数は気象条件や天敵などの変化によって、年次的にも大きな変動があるようで、環境変化の影響を把握するためには、長期的な調査が重要なようです。そのため、この調査は今後も毎年継続して行っていく予定です。 
 調査にご参加いただいたみなさま、どうもありがとうございました。

                             事務局(広報担当スタッフ:つぼみ)

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